下顎前突(反対咬合、受け口)
mandibular
下顎前突(反対咬合、受け口)とは

正常咬合は上顎が下顎より前にあり、少しかぶさりますが、下顎前突は逆に下顎の方が前に出ている噛み合わせです。反対咬合や受け口などとも言われます。星の数が多く、4つに分類した噛み合わせの中で、最も良くないとされています。まず、見た目は三日月様顔貌を特徴とした特有のものになります。下顎は第2次成長期の後半に成長するので、女性なら中学生、男性は高校生まで前下方向に伸びます。重度の反対咬合は遺伝要素が強く、骨格の問題が大きいと歯列矯正だけで解決できないこともあります。歯列や口唇の張り程度なら、歯列矯正で改善できても、顔つきを改善するには外科矯正の適応になる場合もあります。
下顎前突(反対咬合、受け口)詳細
Before
After
★が多いほど悪くなります。(3段階)
| 主訴 | 下の歯が前に出ている |
|---|---|
| 診断 | 下顎前突、開咬 |
| 矯正方法 | ワイヤー矯正 |
| 矯正期間・回数 | 20カ月・22回 |
| 費用 | 890,000円(税別) |
| 調整料 | 5,000円(税別) |
こんなお悩みはないでしょうか?
- 噛み合わせが合わない
- しゃくれた顎が気になる
- 笑ったときに歯が目立つ
- 硬い食べ物が苦手
- 「さ行」や「た行」が言いにくい
下顎前突(反対咬合、受け口)の原因
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原因 01
遺伝的な要因

顔立ちや声が親から子へ受け継がれるように、歯並びや顎の骨格も遺伝の影響を受けます。必ず遺伝するとは限りませんが、両親のどちらか、または両方が反対咬合(受け口)の傾向がある場合、お子様にも似た骨格が現れる可能性があります。
-
原因 02
指しゃぶりなど幼少期からの癖

幼少期は顎の骨がやわらかく、成長過程に大きな影響を受けやすい時期です。唇を吸う癖(吸唇癖)や頬杖、顎を突き出すような動きが日常的に繰り返されると、顎の発育に偏りが生じ、反対咬合の原因となることがあります。
これらの癖は長期間続くと無意識の習慣になりやすく、反対咬合を進行させる恐れもあるため、できるだけ早く気づき、改善していくことが大切です。 -
原因 03
顎の成長バランスの乱れ

成長とともに、上顎よりも下顎が過剰に発達してしまうことで、反対咬合になるケースもあります。
このような顎の成長バランスの乱れには、舌の位置が関係している場合があります。たとえば、舌が常に低い位置にあると、下顎の成長が促されやすくなり、結果的に噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。
下顎前突(反対咬合、受け口)をそのままにしていると・・・

見た目のストレスにつながる
下顎が突き出ると、顎が長く見えたり、しゃくれて見えたりする場合があります。
これがストレスやコンプレックスを生み出す原因となることも多いです。笑顔を抑えたり、口元を隠したりしながら過ごすことを余儀なくされ、自分に自信を持てなくなる人もいます。
噛む機能と飲み込む機能を弱くさせる
かみ合わせのバランスが悪くなると、咀嚼や嚥下の機能が落ちる場合があります。これが原因で消化器官に過度な負担がかかり、体の健康を損なうケースも見られます。
他の病気を誘発してしまう
かみ合わせが悪いと、歯ブラシの毛先が届かない場所ができ、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
咀嚼を奥歯や前歯に頼るせいで、一部の歯や顎にかかる負担が増えることも問題です。顎関節に慢性的な圧力が加わり、顎関節症の発症リスクが高まります。
コミュニケーション面でうまくいかない
活舌が悪くなるため、日常生活の会話に支障を来す場合もあります。特に「サ行」と「タ行」の発音が曖昧になりやすく、コミュニケーションに関する悩みを抱えやすくなるのです。
下顎前突(反対咬合、受け口)の治療方法
下顎前突の治療方法は病態によって多くの治療方法があります。
当院が最も行うのは下顎歯列全体を後方に移動するやり方です。下顎前突なので、下顎前歯を後方にしないといけないのは当然ですが、矯正用インプラントをアンカーとして用いて行います。これにより、下顎を大きく引っ込めることができます。それでも十分に下がらない場合、抜歯矯正を考えます。叢生のない反対咬合の治療はほとんど非抜歯で行っています。もう1つの戦略は噛み合わせを上げる方法です。噛み合わせを上げると下顎が後方に回転し、引っ込むことを利用します。ただ、元々、面長な人にすると、さらに面長になるので、適応できません。
下顎前突の場合、歯列を整えることはできても、顔貌のコントロール量は限られます。審美的な要求が高い場合は外科矯正の適応になります。
80歳まで歯を残したいなら、即治療
歯の寿命への影響は「開咬」と同様に最悪のスコアとなっています。
奥歯が必ず干渉する噛み合わせなので、歯ぎしりや食い縛りなどの習癖があると30代で「歯の欠損」をかかえることも少なくありません。
80歳で20本以上歯が残っている人の歯並びを調べたところ、反対咬合と開咬の人はほぼ0だったというデータがあります。それほど、反対咬合は要注意な噛み合わせなので、早期の治療が望まれます。
下顎前突(反対咬合、受け口)の症例
Case01反対咬合を改善した症例
当院に9歳で来院し、そのときはムーシールドと口腔筋肉トレーニングを行いました。ある程度は改善しましたが、骨格的に大きく下顎が前突しているため、外科矯正の適応と診断し、成長が終わる高校生になるまで待ちました。しかし、患者さんはどうしても外科矯正は嫌だからと歯列矯正で、できる範囲の治療を希望されました。かなり難症例ですが、下顎歯列を矯正用アンカーで全体後方に移動する方法で矯正を行いました。予定よりも早期に終わり、1年後も安定しています。この先も安定していくか注意深くメインテナンスを続ける必要があります。
口元比較 横側
Before
After
口元比較
Before
After
初診 2017.4.7

矯正治療開始 2017.6.5

ファイナル 2018.3.12

ファイナル 2018.3.12

治療1年後 2019.5.21

| 主訴 | 反対咬合を治したい |
|---|---|
| 診断 | 両側アングル3級の下顎前突 |
| 矯正方法 | 矯正用アンカーとゴムメタルワイヤーを用いたマルチブラケット |
| 矯正期間 | 9か月・11回 |
| 費用 | 730,000円(税別) |
| 調整料 | 月1回 5,000円(税別) |
Case02反対咬合を改善した症例
前歯が反対咬合によって、奥歯に力がかかり、奥歯にむし歯治療が多くなっていることを疑う噛み合わせでした。反対咬合を治すことはあきらめていたけど、できるのなら、治療したいという希望でした。診査の結果、歯列矯正で十分に改善可能と診断しました。矯正用アンカーで下顎歯列全体を後方に移動させました。矯正治療終了後はホワイトニングをしたり、前歯の失活歯に審美的治療を行ったりしました。口元の印象がかなり改善したことに喜んでいただけました。
口元比較
Before
After
初診 2018.1.20

矯正開始 2018.3.3

動的治療終了 2018.9.25

ファイナル 2019.7.6

ファイナル 2019.7.6

| 主訴 | 反対咬合を治したい |
|---|---|
| 診断 | 両側アングル3級の下顎前突 |
| 矯正方法 | 矯正用アンカーとゴムメタルワイヤーを用いたマルチブラケット |
| 矯正期間 | 6か月・8回 |
| 費用 | 730,000円(税別) |
| 調整料 | 月1回 5,000円(税別) |
Case03反対咬合と奥に入った側切歯を改善した症例
初めはむし歯治療で来院されました。反対咬合を治せることを伝えたら是非、治療したいと希望されました。骨格的に重度の反対咬合に見えますが、診査の結果、非抜歯で治療できると診断しました。歯列の拡大との矯正用アンカーによる下顎歯列の後方移動を行いました。反対咬合は口元の印象が劇的に変わります。矯正治療をして本当に良かったと言っていただけました。
口元比較
Before
After
口元比較 側面
Before
After
初診 2017.5.13

矯正開始 2017.7.8

ファイナル 2018.8.21

ファイナル 2018.8.21

| 主訴 | 反対咬合と奥に入った側切歯を治したい |
|---|---|
| 診断 | 両側アングル3級の下顎前突 |
| 矯正方法 | 矯正用アンカーとゴムメタルワイヤーを用いたマルチブラケット |
| 矯正期間 | 13か月・15回 |
| 費用 | 750,000円(税別) |
| 調整料 | 月1回 5,000円(税別) |
下顎前突(反対咬合、受け口)で
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矯正治療において500症例以上の豊富な治療実績・15年以上の矯正治療経験があり、確かな技術力によって多くの患者さまの笑顔を実現してきました。
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当院での治療例をお見せし、治療期間や費用を概算します。
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- 【受付時間】
- 9:00~12:00/ 13:00~18:00 ※土曜日 …9:00~13:00
- 【休診日】
- 土曜午後、日曜、祝日
下顎前突(反対咬合、受け口)のよくある質問
下顎前突の治療は早期にする必要がありますか?
歯の寿命を考えると、早期の治療が必要です。奥歯の負担が大きくなる噛み合わせなので、歳を重ねると蓄積されたダメージから歯が折れる・割れるというトラブルに繋がります。 さらに、受け口の状態が続くと、顎関節症のリスクが高まり、顎の痛みや口の開閉に支障をきたすことがあります。また、発音が不明瞭になったり、食事の際にうまく噛めなかったりすることで、消化不良や胃腸への負担が増すこともあります。
「受け口」と「しゃくれ」の違いは何ですか?
この二つの言葉の共通点は、下顎が突出して見えることです。違う点は、「受け口」は歯並びが原因であることに対し、「しゃくれ」は骨格に原因がある場合によく使われる言葉です。そのため、「受け口」は矯正治療で改善できることが多いですが、「しゃくれ」は顎の骨格そのものが関係しているため、外科矯正や外科手術が必要になる場合があります。
大人になってからでも受け口を治すことはできますか?
可能です。大人の矯正では歯や顎の骨の状態を考慮しながら治療を進める必要があり、年齢によっては治療期間が長くなることもあります。但し、歯並びを整えることができても、発達した下顎を治療したい場合は外科矯正の適応になります。歯並びを整えるだけでもお顔の表情が変わります。まずは一度ご相談ください。
反対咬合で、歯を抜かずに治療ができますか?
患者様のお口の状況によります。検査や治療のシュミレーション結果を踏まえて、抜歯が必要かを判断します。当院では非抜歯で反対咬合を治療した症例もございます。特に軽度の反対咬合であれば、顎の成長をコントロールする装置や、歯列を広げる矯正方法によって非抜歯での治療が可能になることがあります。
受け口の治療は、子どもと大人で違いがありますか?
はい、大きな違いがあります。子どもの場合は、顎の成長を利用して矯正治療を行えるため、比較的短期間で改善が期待できます。一方、大人は顎の成長が完了しているため、矯正治療だけでは改善が難しく、外科手術を併用することもあります。
受け口は見た目にどのような影響がありますか?
受け口の状態が続くと、横顔のバランスが崩れ、下顎が突き出た印象になります。また、口元が前に出ることで、閉じにくくなったり、表情に影響を与えることもあります。矯正治療を行うことで、噛み合わせの改善だけでなく、顔全体のバランスが整うことも期待できます。
受け口は自然に治ることがありますか?
軽度の受け口であれば、成長の過程で自然に改善することもあります。しかし、骨格に原因がある場合は自然に治ることはほとんどなく、適切な時期に矯正治療を行うことが重要です。特に、子どもの場合は顎の成長をコントロールできるため、早めの治療が推奨されます。
