
インビザラインinvisalignとは米国アライン・テクノロジー社が開発したマウスピース矯正です。2019年末までに世界で800万人を超える治療症例がある圧倒的シェアNo.1マウスピース矯正です。
当院では2014年に導入し、数多くの症例を手掛けています。
しかし、決してオートマティックなシステムではなく、適応範囲、治療結果は治療計画を作成する矯正歯科医に大きく依存します。
マウスピース矯正(インビザライン)のメリット
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治療中に目立ちにくい
矯正治療の大きなデメリットに装置が見えることがあります。インビザラインでは透明なマウスピースを装着するだけなので、周囲の人にほとんど気づかれることはありません。だから、矯正中だから、何かを我慢するといった必要はありません。
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自分で装置の着脱ができる
矯正装置が着脱可能なマウスピースなので、食事や歯みがきのときに自分で外せ、とても清潔です。矯正中だろうと、食事は普段通りです。装置の間にものが詰まることもないので、安心してデートを楽しめることができます。
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矯正の痛みがほとんどない
矯正治療では「ワイヤーで締める痛み」と「装置が口腔粘膜に当たる痛み」2つの痛みを多少伴います。インビザラインは1回の移動距離が0.25㎜/1wと少しずつなので、痛みがほとんどありません。矯正治療の痛みを我慢することはもうありません。
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通院回数が少ない
通常、矯正治療は月1回程度の通院が必要になります。インビザライン矯正はマウスピースを週1回ご自分で交換することなので、計画通り進んでいるかのチェックに通院するだけでいいです。忙しい方、遠方から通院のたかには大きなメリットなります。
マウスピース矯正(インビザライン)のデメリット
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装着時間が短いと治療が進まない
インビザラインの唯一かつ最大のデメリットがメリットでもある着脱が自分でできることです。1日最低20時間のマウスピース装着が必要です。これが守られなければ、治療は絶対うまくいきません。治療モチベーションの低い方にはお勧めできない治療方法になります。
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治療適応範囲が限られている
元々、歯列矯正は適応範囲が限られています。その中でもマウスピース矯正は限られた症例しかできませんでした。しかし、世界中で多くの症例を積み重ねAIが発達し、術者が経験を積むことで、適応範囲が大きく広がりました。これからも益々、進化し、良化していくシステムと言えます。
当院は口腔内スキャナー iTero element2を導入しています。
iTeroとは口腔内情報(歯と歯ぐき)を撮影するカメラとそれを3D解析して、矯正の診査診断をするソフトです。
インビザラインをスムーズに行うのにとても有用な機器です。

精密な情報を短時間で得る
型取りで得た情報より正確に歯列データを習得できます。
この情報の精密さが治療精度の直結するため、最も重要な要素と言えます。
マウスピース作製時間の短縮
従来はマウスピース作製に1か月ほどかかっていましたが、iTeroで読み込めば、データやり取りにロスがないため、2、3週間で可能になりました。
苦手な人の多い型取り不要
シリコン印象材による全顎の型取りが口腔内情報を得るためには必要でした。iTeroによる口腔内カメラがあれば、型取りをする必要がありません。
マウスピース矯正(インビザライン)による症例
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叢生(凸凹)のシミュレーション
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上顎前突のシミュレーション
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反対咬合のシミュレーション
Case01マウスピース矯正例
主訴 | 上下顎前歯のガタガタ | 診断 | ターミナルプレイン バーティカル 上下顎前歯叢生 |
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矯正方法 | インビザラインファーストによるマウスピース矯正 | 矯正期間 | 13か月 |
費用 | 490,000円(税別) | 調整料 | 5,000円(税別) |
概要
前歯が永久歯に生え変わり、ガタガタが気になる患者さんでした。
第1期治療としてマウスピース矯正を行いました。
従来の床拡大装置を用いた第1期治療よりさらに短く、6か月で終了できました。
違和感も少なく、大変喜んでいただけました。
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初診 2021.7
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マウスピース矯正開始1か月
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マウスピース矯正開始4か月
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終了 矯正期間6か月
Case02マウスピース矯正(インビザライン)による症例
主訴 | 前歯がデコボコしている | 診断 | 両側アングルクラスⅠ 上下顎前歯叢生 |
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矯正方法 | マウスピース矯正(インビザライン)による矯正治療 | 矯正期間 | 13か月 |
費用 | 890,000円(税別) | 調整料 | 5,000円(税別) |
概要
マウスピースによる矯正治療を希望された患者さんでした。
前歯の叢生(でこぼこ)が気になっていました。
奥歯の問題は少なく、前歯の真っすぐにするだけなら、マウスピース矯正の得意なところです。
始めると比較的短期間で改善しましたが、右上の側切歯のみ動きが遅かったです。
それでも、アタッチメントを交換したら、すぐによくなりました。
1年以内とはいきませんでしたが、見た目だけでなく、嚙み合わせもしっかり治りました。
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初診 2020.9.12
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マウスピース矯正開始 2020.11.1
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追加アライナー 2021.6.12
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ファイナル 2021.12.5
Case03マウスピース矯正症例
主訴 | 色の変わった前歯を抜歯してインプラントにしてほしい | 診断 | 両側アングルクラスⅠ 上顎前歯叢生 左上中切歯 外部吸収と骨性癒着にて予後不良 |
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矯正方法 | インビザラインによるマウスピース矯正 左上中切歯抜歯 同部位にインプラント | 矯正期間 | 18か月 |
費用 | 890,000円(税別) | 調整料 | 5,000円(税別) |
概要
10歳のときに外傷を受けた左上中切歯が骨癒着を起こし、予後不良の状態でした。
インプラントを計画しましたが、歯列不正があり、適正なインプラント治療ができないと診断したので、インビザラインによるマウスピース矯正を行うこととしました。
インプラント予定歯の周囲の歯をきれいに並べることで自分の歯と区別がつかない自然なインプラントができました。
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マウスピース矯正開始 2019.10
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インプラント埋入 2020.8
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マウスピース矯正開始 2020.11.1
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ファイナル 2021.12.5
Case04マウスピース矯正症例
主訴 | 前歯のガタガタと八重歯が気になる | 診断 | 両側アングル1級の叢生 |
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矯正方法 | インビザラインシステムによるマウスピース矯正 | 矯正期間 | 15か月 |
費用 | 890,000円(税別) | 調整料 | 月1回 5,000円(税別) |
概要
ガタガタの歯並びを気にされていましたが、矯正装置を貼らないで治療したい希望がありました。しっかりリサーチをされており、マウスピース矯正でできる歯科医院を探していました。診査の結果、非抜歯のマウスピース矯正で行える適応症に当たると診断しました。周りの人にほとんど気づかれることなく、矯正治療を終わらせることができてとても満足していただけました。
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初診 2014.8.12
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インビザライン開始 2015.3.11
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ファイナル 2016.6.10
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治療2年後 2018.6.12
Case05マウスピース矯正症例
主訴 | 前歯の出っ歯を治したい | 診断 | 両側アングル2級の叢生 |
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矯正方法 | インビザラインシステムによる上顎2本抜歯を伴うマウスピース矯正 | 矯正期間 | 49か月 |
費用 | 890,000円(税別) | 調整料 | 月1回 5,000円(税別) |
概要
上顎前歯がかなり前方へ傾斜しており、前方へ出ている印象を与えます。できるだけ目立たない装置を希望されました。診査の結果、出っ歯を改善するには上顎第1小臼歯抜歯が必要と診断しました。マウスピース矯正は取り外しができるのは利点ですが、ご自分で決められた時間装着しなければ、改善しません。装着時間が短く、治療期間がかかってしまいましたが、無事きれいな歯列を獲得できました。
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初診 2015.4.25
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矯正開始3か月 2015.10.31
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ファイナル 2019.8.1
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Case06マウスピース矯正症例
主訴 | 右上第2大臼歯部にインプラントをしたい | 診断 | 両側アングル2級の叢生 |
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矯正方法 | インビザラインシステムによる上顎2本抜歯を伴うマウスピース矯正 | 矯正期間 | 34か月 |
費用 | 910,000円(税別) | 調整料 | 月1回 5,000円(税別) |
概要
右上第2大臼歯が欠損しており、インプラント希望で他院から紹介で来院されました。八重歯を含む咬合不正があったため、インプラントをするなら、矯正治療で噛み合わせを改善することを提案し、同意されました。矯正治療は受け入れるが、目立たない装置を希望されたので、マウスピース矯正を適応しました。古い金属をすべてセラミックにする咬合再構成になりました。機能的、審美的に大きく改善することができました。
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初診 2015.7.27
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インビライン開始 2016.3.4
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インビライン終了 2019.1.19
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ファイナル 2019.6.24
Q & A
Q1マウスピース矯正はどれくらい目立たないですか?
歯の表面に見えるのは透明なマウスピースとアタッチメントと言われる歯と同じ色の樹脂です。
歯医者の私なら、注意深く見ているので「マウスピース矯正しているな」とわかりますが、一般の人には気づかれないレベルと言えます。それでも、絶対見せたくないという方は舌側矯正がお勧めです。
されている本人は多少気になるかもしれませんが、周りの人から指摘された話はまず聞きません。
Q2マウスピース矯正でどこまで治りますか?
従来、マウスピース矯正は適応範囲が狭く、簡単な症例しかできないとされていました。しかし、それは過去の話です。特にインビザラインは世界中の症例をフィードバックすることでどんどん治せる症例が増えています。
ただ、移動距離が大きい症例はやはりワイヤーによる矯正の方が有利になります。その当たりはやなり治療計画を立てる矯正医の技量にかかってくるといえるでしょう。
抜歯矯正でもきれいに並びます。インビザラインの進歩は目覚ましいです。
Q3ワイヤー矯正治療に比べて治療期間が長くなりますか?
ワイヤー矯正とマウスピース矯正は歯の動かし方が異なるため、それぞれ得意な症例があります。マウスピース矯正は1回の移動距離は短いですが、ロスなくほぼ最短距離で動かせます。非抜歯ならワイヤー矯正より早いものも多いと感じています。治療計画者によりますが、治療期間に差異はないと考えています。
マウスピース矯正は拡げながらきれいに並べるのが得意で半年ほどで終わるものが多いです。
Q4マウスピース矯正ではできない症例はどんなものでしょうか?
マウスピース矯正は歯を平行に大きな距離を移動させるがあまり得意ではありません。だから、骨ごと前歯が前に出ていて、それを大きく引っ込めたい症例にはワイヤー矯正の方が向くでしょう。ただ、できないというわけではなく、時間がかかってしまうということです。基本的にできない症例はないので、是非、ご相談ください。
インビザラインで重度の出っ歯を治した症例です。時間をかければ、きれいに治ります。
Q5マウスピースを1日中入れていて支障はないでしょうか?
厚さ約0.5㎜のマウスピースが上下に入るので1.0㎜ほど噛み合わせが高くなった状態で過ごすことになります。初めは気になる、しゃべりづらいなどあります。しかし、元々、上と下の歯は食べるとき以外は当たらないので、1.0㎜程度であれば、すぐに慣れてどうもなくなります。顎関節に症状がある方にはむしろ楽と言われることもあります。

全く違和感がないとは言いませんが、ワイヤー矯正のことを思うとかなり快適な生活を送れます。
Q6マウスピース矯正の治療の流れを教えてください。
通常の矯正と同じで写真やセファロを撮影し、iTeroスキャナーで歯列情報を得て、矯正治療計画の診断を行います。ゴールの設定、患者さんの希望をふまえ、マウスピース矯正かワイヤー矯正かを決めていただきます。マウスピース矯正に決まれば、アライン社のインビザラインにマウスピースをオーダーし、作成します。矯正開始後の通院はワイヤー矯正の半分以下で2~3か月に1度になります。
非常にスタイリッシュで清潔なインビザラインシステムを楽しむことができます。
Q7子供の矯正にも使えるでしょうか?
インビザラインは第1期治療から適応できます。年齢でいうと、6、7歳くらいからの矯正治療です。従来の床矯正とは違い、歯列の拡大と配列を同時に行うことができます。第2期治療(成人矯正)にもスムーズにつなげられるシステムになっています。これからどんどん増えてくる小児の矯正と考えています。
子供でも見た目が目立たない装置を希望する方が増えています。時代の流れでしょうか。