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Column 矯正歯科治療コラム

非抜歯矯正の選択肢、抜歯が必要になる場合について解説

~福岡市西区の矯正歯科が解説~

当院は基本的には非抜歯で行いたいと考えており、私が行う矯正歯科治療全体の7割を占めます。

1期治療(児童期矯正)は非抜歯です。また、口元を引っ込める希望がない場合はほとんど非抜歯で行えます。

歯がガタガタ並ぶ原因の多くはスペース不足です。きれいに並べるにはスペースを作る必要があります。スペースを作った後に歯を配列します。

ただ、どれも限界があるので、診断が大切になります。長い人生を考えると、やはり歯の数は多いに越したことはありません。

非抜歯矯正で治療ゴールが達成できないか、あらゆる角度から診断しています。

 

歯の並べるためにスペースを作る方法

歯列を拡大する

歯列を拡大する方法は、特にお子さんに有効です。拡大床やエクスパンションプレートといった装置を用いることで、顎の幅を広げることができます。

これにより、歯が並ぶためのスペースが確保され、抜歯を避けながら歯列を整えることができます。

特に上顎の狭さが原因で歯が重なっている場合、拡大床を使用することで歯列全体が広がり、歯が正しい位置に移動しやすくなります。

拡大床は取り外し可能な装置であり、患者さん自身で調整できるため、比較的負担が少ない治療法です。装置の装着期間は数ヶ月から1年程度で、顎の成長期に合わせて使用すると効果的です。

歯を後ろに移動する

歯を後ろに移動させる方法は、特に前歯の突出が問題となる場合に有効です。

この方法では、奥歯を後方に移動させることで前歯を引っ込めるスペースを作ります。これにより、抜歯を避けつつも前歯の位置を整えることができます。

歯を後ろに移動させるためには、ヘッドギアやミニインプラント(ミニスクリュー)といった装置を使用します。

ヘッドギアは、頭の外側から装着する装置で、特に夜間に使用します。

一方、ミニインプラントは顎骨に小さなスクリューを埋め込み、そこにワイヤーをかけて歯を後ろに引っ張る方法です。

この方法は、成人の患者さんにも適用可能であり、治療の選択肢として非常に有効です。

歯を外に倒す

歯を外に倒す方法は、歯列の幅を広げるための手段です。

この方法では、歯が自然な位置に並ぶためのスペースを作り出します。歯を外に倒すことで、顎のアーチを広げ、歯が重ならずに並ぶことが可能になります。

特にお子さんの矯正治療においては、成長期を利用して歯を外に倒すことが効果的です。

この方法では、ブラケットやワイヤーを使用して、少しずつ歯を外側に傾けていきます。矯正治療の進行に伴い、噛み合わせも改善され、全体的な歯列の美しさが向上します。

エナメル質を少し削る

エナメル質を少し削る方法は、歯と歯の間のスペースを確保するための手段です。

これは「ストリッピング」や「IPR(インタープロキシマル・リダクション)」と呼ばれる方法で、歯の側面のエナメル質を微量削ることで、歯が並ぶためのスペースを作ります。

この方法は、歯を抜かずにスペースを作りたい場合に非常に有効です。削る量は非常に少なく、歯の健康や強度に影響を与えることはありません。

また、治療期間も比較的短く、患者さんへの負担が少ないのが特徴です。

エナメル質を削ることで、歯の位置を微調整しながら並べることができます。特に、軽度から中程度の歯列不正に対して有効な方法です。

治療後の歯の見た目も自然で、美しい歯列を維持できます。

 

矯正で抜歯が必要になる理由

矯正治療において抜歯が必要となる主な理由は、噛み合わせの改善と美しい歯列の形成です。

特に、お子さんの成長過程においては、顎の大きさと歯のサイズが合わない場合があります。

このような場合、歯が重なり合ったり、適切な位置に並ばなかったりすることがあります。抜歯を行うことで、歯列を整え、噛み合わせを改善するスペースを確保することができます。

また、歯列不正の原因として、遺伝的な要因や生活習慣が挙げられます。

例えば、親御さんから受け継いだ顎の形や歯の大きさが合わない場合や、指しゃぶりや舌の癖などの生活習慣が影響していることがあります。これらの要因により、歯が重なり合ったり、前後にずれてしまったりすることがあります。

矯正治療においては、抜歯を行わないと歯が収まりきらない場合や、歯列をきれいに並べることが難しい場合があります。このため、抜歯は矯正治療の一環として行われることがあります。

 

矯正で抜歯をする方法

矯正治療における抜歯は、慎重な診断と計画のもとに行われます。

まず、歯科医師は患者さんの口腔内の状態を詳細に評価し、必要な検査を行います。これには、X線写真やデジタルスキャンなどの画像診断が含まれます。これらの情報を基に、どの歯を抜歯するか、どのように治療を進めるかを決定します。

一般的に、矯正治療で抜歯が必要となる場合、第一小臼歯(前から数えて4番目の歯)が選ばれることが多いです。この歯を抜くことで、前歯や奥歯の移動スペースを確保しやすくなります。

抜歯の手技は、通常の歯科治療と同様に局所麻酔を用いて行われます。麻酔が効いた後、歯科医師は特定の歯を丁寧に抜歯します。抜歯後は、出血を抑えるための処置が行われ、必要に応じて縫合が施されます。

抜歯後のケアとしては、適切な口腔衛生の維持が重要です。抜歯部位を清潔に保ち、定期的なチェックアップを受けることで、治癒を促進し、感染を防ぐことができます。

 

矯正で抜歯をするメリットとデメリット

矯正治療における抜歯には、いくつかのメリットとデメリットがあります。これらを理解することで、患者さんや親御さんはより適切な治療選択を行うことができます。

メリット

スペースの確保:

抜歯を行うことで、歯列に十分なスペースを作り出し、歯が適切な位置に移動できるようになります。これにより、噛み合わせの改善や見た目の美しさが向上します。

治療期間の短縮:

抜歯によってスペースが確保されるため、歯の移動がスムーズに行われ、矯正治療の期間が短縮されることがあります。

長期的な安定性:

抜歯を行うことで、歯列が安定しやすくなり、治療後の後戻りが少なくなります。これにより、長期的な噛み合わせの安定性が期待できます。

デメリット

抜歯に伴う不快感:

抜歯自体は通常、局所麻酔で痛みを感じることはありませんが、麻酔が切れた後には多少の不快感や腫れが生じることがあります。

治癒期間:

抜歯後は、治癒までに数日から数週間かかることがあります。この間、適切なケアが必要です。

一時的な見た目の変化:

抜歯によって一時的に歯が欠けた状態になるため、見た目に影響が出ることがあります。ただし、矯正装置が取り付けられると、この影響は徐々に軽減されます。

 

まとめ

以上のように、矯正治療における抜歯は、患者さんの口腔内の状態や治療目標によって判断される重要なプロセスです。

メリットとデメリットを理解し、歯科医師と十分に相談することで、最適な治療方法を選択することができます。

昭和歯科・矯正歯科では、患者さん一人ひとりに合わせた最適な治療を提供し、美しい歯列と健康な噛み合わせを目指しています。