Mandibular protraction下顎前突(反対咬合、受け口)
~福岡市西区の矯正歯科が解説~
下顎前突(反対咬合、受け口)とは
正常咬合は上顎が下顎より前にあり、少しかぶさりますが、下顎前突は逆に下顎の方が前に出ている噛み合わせです。反対咬合や受け口などとも言われます。星の数が多く、4つに分類した噛み合わせの中で、最も良くないとされています。まず、見た目は三日月様顔貌を特徴とした特有のものになります。下顎は第2次成長期の後半に成長するので、女性なら中学生、男性は高校生まで前下方向に伸びます。重度の反対咬合は遺伝要素が強く、骨格の問題が大きいと歯列矯正だけで解決できないこともあります。歯列や口唇の張り程度なら、歯列矯正で改善できても、顔つきを改善するには外科矯正の適応になる場合もあります。
反対咬合は開咬を併発することがあります。機能、見た目ともに重篤と言えます。歯列矯正だけである程度改善することも可能ですが、顔の見た目を改善するなら外科矯正が適応です。九大病院に紹介して、きれいに噛むようになり、顔貌も見違えるようになった症例です。
下顎前突(反対咬合、受け口)の原因
下顎前突の原因は多岐にわたります。遺伝的要素が強く、親御さんが同じような噛み合わせを持っている場合、お子さんにも遺伝する可能性が高くなります。また、環境要因も影響します。例えば、長期間の指しゃぶりや舌の癖などが下顎前突を引き起こすことがあります。さらに、顎の成長過程での不均衡も原因となります。具体的には、上顎の成長が遅く、下顎が過剰に成長することで下顎前突が生じることがあります。
下顎前突(反対咬合、受け口)を放置するデメリット
下顎前突を放置すると、様々なデメリットが生じます。まず、見た目の問題が挙げられます。三日月様顔貌は本人のコンプレックスとなり、心理的なストレスを引き起こすことがあります。また、噛み合わせの不正により、食事中にしっかりと食べ物を咀嚼できず、消化不良や栄養吸収の低下を招くこともあります。
さらに、歯の寿命にも大きな影響を与えます。反対咬合は奥歯に過度な負担をかけるため、歯ぎしりや食い縛りの原因となり、歯の摩耗や欠損を引き起こしやすくなります。これにより、30代で歯を失うリスクが高まります。実際に、80歳で20本以上の歯が残っている人の中で、反対咬合や開咬の人はほぼ0だったというデータもあります。
80歳まで歯を残したいなら、即治療
歯の寿命への影響は「開咬」と同様に最悪のスコアとなっています。奥歯が必ず干渉する噛み合わせなので、歯ぎしりや食い縛りなどの習癖があると30代で「歯の欠損」をかかえることも少なくありません。80歳で20本以上歯が残っている人の歯並びを調べたところ、反対咬合と開咬の人はほぼ0だったというデータがあります。それほど、反対咬合は要注意な噛み合わせなので、早期の治療が望まれます。
重度になると、見た目、噛みにくさに障害を認め、日常でのコンプレックスや不便さが顕著になります。反対咬合は必ずアンテリアガイダンスがない噛み合わせです。奥歯に力がかかりやすく、失いやすくなります。
下顎前突の治療方法
下顎前突の治療方法は病態によって多くの治療方法があります。当院が最も行うのは下顎歯列全体を後方に移動するやり方です。下顎前突なので、下顎前歯を後方にしないといけないのは当然ですが、矯正用インプラントをアンカーとして用いて行います。これにより、下顎を大きく引っ込めることができます。それでも十分に下がらない場合、抜歯矯正を考えます。叢生のない反対咬合の治療はほとんど非抜歯で行っています。もう1つの戦略は噛み合わせを上げる方法です。噛み合わせを上げると下顎が後方に回転し、引っ込むことを利用します。ただ、元々、面長な人にすると、さらに面長になるので、適応できません。
下顎前突の場合、歯列を整えることはできても、顔貌のコントロール量は限られます。審美的な要求が高い場合は外科矯正の適応になります。
下顎前突(反対咬合、受け口)の治療でよくある質問
Q: 下顎前突の治療は何歳から始めるのが良いですか?
A: 治療の開始時期は患者さんの成長段階によりますが、できるだけ早期に治療を開始することが推奨されます。特に、お子さんの成長期に矯正治療を始めると、骨格の成長をコントロールしやすくなります。親御さんは、早期に専門家の診断を受けることをお勧めします。
Q: 治療にはどれくらいの期間がかかりますか?
A: 治療期間は個々の症例によりますが、一般的には2年から3年程度かかることが多いです。治療の進行状況や患者さんの協力度により、期間は変動することがあります。
Q: 外科矯正は必ず必要ですか?
A: 全ての患者さんに外科矯正が必要なわけではありません。軽度から中等度の下顎前突であれば、非外科的な矯正治療で十分改善することが可能です。しかし、重度の下顎前突や審美的な要求が高い場合には、外科矯正が適応となることがあります。専門医と相談し、最適な治療法を選択することが重要です。
Q: 治療後のメンテナンスはどのように行いますか?
A: 治療後のメンテナンスは非常に重要です。定期的な歯科検診と矯正後のリテーナーの使用が必要です。リテーナーを正しく使用しないと、治療効果が後戻りする可能性があります。また、日常の歯磨きやフロッシングも欠かさず行い、歯と歯茎の健康を保つことが大切です。
以上のように、下顎前突の治療は早期の診断と適切な治療が重要です。見た目の改善だけでなく、噛み合わせの機能を向上させることで、患者さんの生活の質を向上させることができます。昭和歯科・矯正歯科では、専門的な知識と技術を持つスタッフが、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供します。お悩みのある方は、ぜひ一度ご相談ください。